7.29龍ヶ崎市での「弾道ミサイル避難訓練」に対する抗議声明

戦時下の現在を考える講座は、龍ヶ崎市川原代(かわらしろ)地区において本日7月29日10時から10時15分の間に実施された「弾道ミサイルを想定した住民避難訓練」に対し、訓練現地の川原代小学校前において抗議アクションをおこないました。その際に読み上げた声明をここに公表します。この声明は、直接の宛て先としては中山 一生・龍ヶ崎市長、猪野瀬 武・同市危機管理課長、ならびに橋本 昌・茨城県知事、橋本 好美・同県防災危機管理課長に送付しました。

 

龍ヶ崎市での「弾道ミサイル避難訓練」に対する抗議声明

龍ヶ崎市茨城県は「弾道ミサイル避難訓練」をするな、政府による朝鮮敵視、戦争動員政策に同調するな

 

龍ヶ崎市茨城県内閣官房による龍ヶ崎市川原代地区での「弾道ミサイルを想定した住民避難訓練」の実施に抗議します。龍ヶ崎市茨城県は政府による朝鮮敵視政策、戦争動員政策であるこの訓練を行うべきではありません。内閣官房は各地で実施予定の同様の訓練を中止するよう、強く求めます。

今回の「弾道ミサイル避難訓練」は、「X国から弾道ミサイルが発射され」ることを想定していますが、これは朝鮮民主主義人民共和国を仮想敵国としていることは明らかです。このような訓練は相手国だけでなく周辺国も含めて政治的に刺激し、緊張を高める結果を招きます。安倍政権による朝鮮敵視政策は一貫して続いていますが、両国間の歴史的関係についての自省、そしてそれを踏まえた対話ではなく、圧力を加え続けるだけのその姿勢は、結局件の「ミサイル」打ち上げそれ自体をもたらす大きな一因となっただけで問題の解決には全くつながっていません。

そもそも今回の訓練自体に有効性があるのか大変疑問です。川原代地区は民家の少ない田園地帯です。標的になるような何物もない地域で「弾道ミサイル避難訓練」を行うことは、人々に「有事」という意識を植え付ける以外の意味があるのでしょうか。また「ミサイル」に対して何かに隠れるなどという行動が本当になんらかの効果を有するのでしょうか。

今回の訓練の本質は、マスコミの「ミサイル」報道や各種メディアで繰り返し流される政府広報を通じて浸透しつつある「攻撃される」ことへの危機意識を人々に定着させ、有事の際には人々が政府に従って行動するよう「躾ける」、つまり人々を戦争へと動員することにあります。

自衛隊国防軍化しようとし、戦争のできる国を目指している安倍政権にとって、一連の「ミサイル危機」は解決すべき問題ではなく、むしろこの事態を利用して人々の危機意識を煽り、軍隊は必要であり場合によっては戦争もやむを得ないと思わせるのに好都合な出来事に他なりません。口では抗議しながらも首相は内心、自身の望む方向へ「国民」を誘導できると喜んでいるのではないでしょうか。北東アジア情勢の安定化ではなく緊迫した現状の維持を、自身の念願の政策実現のために首相は望んでいるのではないでしょうか。

このような意図を持った「弾道ミサイル避難訓練」を行うことは、地域住民の安全に何ら結びつきません。地域住民の安全を考えるなら、龍ヶ崎市茨城県は政府に意見こそすれ、政府の意向に従うのは間違いです。戦争に動員されるとは、国によって人々が資源として活用されるということで、「一億総活躍」にはふさわしいかもしれませんが、言い方を変えれば人々が戦争に巻き込まれるということです。私たちは戦争に自ら参加するつもりも巻き込まれるつもりもありません。

龍ヶ崎市茨城県内閣官房による龍ヶ崎市川原代地区での「弾道ミサイル避難訓練」実施に抗議します。龍ヶ崎市茨城県は政府による朝鮮敵視政策、戦争動員政策である「弾道ミサイル避難訓練」を二度と行うべきではありません。政府は各地で実施予定の同様の訓練を中止するよう、強く求めます。

2017年7月29日

戦時下の現在を考える講座

 

龍ヶ崎市における「弾道ミサイルを想定した住民避難訓練の実施について」の告知:

龍ヶ崎市 http://www.city.ryugasaki.ibaraki.jp/news/2017070600120/

茨城県 http://www.pref.ibaraki.jp/seikatsukankyo/bousaikiki/kiki/hogo/kunren/documents/290706misairukunrenhodo.pdf