2/15(日)集会『天皇Xデーの復習と予習』(つくば市)

              天皇Xデーの復習と予習  

           「昭和」の終わった日、つくば・茨城では何があったのか?

                                         今度は何がおきるのか?

 

日時 2月15日(日14時~16時

会場 つくば市 竹園交流センター  大会議室

   (茨城県つくば市竹園3-19-2 Google マップ - 地図検索

お話 千本 秀樹さん(歴史学者・筑波大学教授)

参加費 500円

主催 戦時下の現在を考える講座

電話 090-8441-1457(加藤)/080-5459-9576(鈴木)

メール under_the_war_regime@yahoo.co.jp

ブログ inwartimeinibaraki.hatenablog.com/ツイッター @against_war

 

千本 秀樹さん:日本近現代史研究(部落差別・労働組合運動史・天皇制)

        著書『天皇制の侵略責任と戦後責任』(青木書店)

                                 『「伝統・文化」のタネあかし』(共著、アドバンテージサーバー)等

                 『季刊 現代の理論』に様々な時事問題について歴史的視野から毎号執筆中

 

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 今から約二十七年前の一九八八年九月、腸がんを患っていた天皇ヒロヒトが重体に陥りました。「みなさんお元気ですか?」と井上陽水がにやけながら言う車のCMの声はミュートされ、天気予報の如く刻々と垂流される病状報道は「ゲケツ」なる医学用語ブームを子どもたちに捲き起こしました。直ちに全大学に『学園の秩序の維持等について』文部省から通達され、各地でデッチ上げ逮捕が横行し、「自粛」の嵐とそれに従わない者たちへの公然たる脅迫と暴行が世に吹き荒れました。そしてヒロヒトが死んだ(とされている)八九年一月七日を迎えると、マスコミのみならず学校・官庁・企業と多くの「国民」が一斉に哀悼を捧げないしは強制されましたが、テレビは彼の死を悲しみその行いを讃える番組をCMなしで延々続けたので、人々はたまらずレンタルビデオ屋へと殺到したのでした。それから二十数年後のいま・ここは、以前でも言いずらかったこの国そして天皇制への疑念と批判が、ますます口にしづらいような社会と化しています。

 

 けれども同調抑圧と<天皇制ハラスメント>がむき出しにされたあの時期、「これはおかしい」と感じ、考え、声をあげ、立ち上った人々が、全国いたる所でいまだかつてなく現れ、連帯するという出来事も起こりました。私たちのいま住むここ茨城ももちろん例外ではありません。

  

 その時つくばで行動した方々の一人である千本秀樹さんに、当時の出来事と経験なさったことについてうかがい、みなで討論しようというのがこの企画です。

 

  昔の話ですって?その通りです。でも、そう遠くない先の出来事でもあります。平和憲法の担い手と見なされさえする現天皇アキヒトのその日が来たら、今度はどんなことが起きるのでしょうか?その時私たちはどうふるまえばいいのでしょう?かつての経験者も、まだ生まれていなかった人も、共にあの時のことを喚起しつつ、未知数を計りつつ、2つのXを結んで話しあい考えてみたいと思います。

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赤嶺容子さんの死

 2月7日付の常陽新聞に、赤嶺容子さんが5日亡くなったとの記事が載りました。赤嶺さんは旧・常陽新聞からの同新聞の記者でした。闘病しつつ記者生活を送ってらしたときいています。

 旧・常陽新聞は、茨城県南部の市民運動にとって力強い味方でもありました。その方面を主に担う一人であった赤嶺さんは、様々な運動を続けている地元の人々にごく近しく、とても信頼されていたのではないでしょうか。赤嶺さんの取材姿勢には「小さな叫びしか上げられない人の声をちゃんと掬い上げて伝えよう」という柱があった、と評する方もいます。

 新・常陽新聞が昨年スタートする時、記者勢揃いの紹介用全体写真を撮る際に、各自なにか格好をつけて撮ろうということになり、せーのでポーズを取った時、赤嶺さんは「秘密保護法はんたーい!」と声を上げながら拳を突きだした、と同僚の記者から聞きました。新・新聞になってからは、ご病気のゆえでしょう、彼女の記事を読めるのは間遠になっていましたが、数ヶ月前のある反戦集会の記事には、最後に強い光が走り抜けるような、ぐっとくる力が感じられて、ああ赤嶺さんはお元気だ、やっぱり赤嶺さんがいなくちゃだめだと思ったりしました。その死の報せは少なからぬ人にショックを与えています、私たちにも。亡くなったとは知らず、この15日の集会の案内状を送ってしまっていました…

 およそ私たちの催しは新聞に告知を載せてもらえることもほとんどありませんが(今回はまさに常陽新聞が載せて下さいました、ありがとうございます)、赤嶺さんは私たちの集会にまで参加し取材して下さったのです。赤嶺さんの記事を読んでもらいたく、下にそれを掲げたいと思います。2013年8月18日、常総市水海道にての集会+デモ『原発天皇制を考える八月』(お話:友常勉さん)についてのものです。友常さんのお話、参加者間の討論、そしてデモへの言及と、字数の制限に関わらず実に丁寧で詳細な記事で、友常さん含め皆でおどろきました。天皇制についてこんなにはっきり書いてくれる日刊紙の記者は他にもいるのでしょうか?この直後の8月末に旧新聞が廃刊になってしまったので、こんな記事を出すからだよなどと、知り合いと軽口を叩いたりもしました……書きながら気づいた、私たちは赤嶺さんにちゃんとお礼を伝えたのだったろうか。

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             天皇制については日常的に話す必要

             常総で講演会、議論も(『常陽新聞』2013年8月25日)

 講演会「原発天皇制を考える八月」が18日、常総市水海道天満町の常総生涯学習センターで開催された。戦時下の現在を考える講座主催。

 講師は、東京外国語大教員の友常勉さん。東日本大震災被災した東北地方が、交通インフラが未整備のままであり、宮城県に142あった漁港を拠点60港に再編し民営化が進むなど、「新自由主義の実験場」になっているのでは、とまず指摘。

 「新自由主義天皇制の結合」について、明治憲法下の天皇制に関する久野収の論の紹介から始めた。天皇の権威と権力について、国民大衆および軍隊には、それらが無限の絶対君主という「たてまえ」を教え込んだ。一方、将来の官僚となる大学・高等文官試験で初めて天皇は国政の最高機関という「申し合わせ」が示されて、国民大衆を指導するシステムが編み出された、と紹介。

 このシステムの破綻のプロセスや、明治14(1881)年の政変による英国モデルの議院内閣制論の挫折に触れ、明治立憲体制をめぐる穂積八束、都築馨六、美濃部達吉吉野作造らの解釈を説明した。また、久野が指摘した「たてまえ」の、形式化を促す力としての国家神道について考えた。現在の自民党による改憲案では、象徴としての天皇が「元首」になっていることにも言及した。

 参加者からは、「江戸時代には庶民は天皇を意識していなかっただろうに明治の何年かでころっと変わったのはなぜか。またあれだけのひどい戦争の後になお天皇制が残り、再び元首にしようという声に、議論がわき起こってこないのがふしぎ。庶民レベルで議論ができないのはよくないのでは」「中学生に聞くと、ああいう特権階級がいるのはおかしい、と言うが、大学に入る頃にはそう言わなくなる傾向がある」「天皇を悪く言わないで、みたいなことを友達に言われた。被災地訪問を、天皇個人の意思で行ってると思っているのかも」「王とは何か。どんな国にも必要か考えたい」などの声があがった。講演会の後、参加者有志は水海道駅まで約2キロを、「天皇制解体」などと訴えながらデモ行進した。(赤嶺容子)

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1/18(日) 学習会 『日の丸・君が代の戦後史』を読む

  戦時下の現在を考える講座 フォー・ビギナーズ

    『日の丸・君が代の戦後史』を読む

 

1月18日(日) 14時~16時

つくば市春日交流センター和室(つくば市春日2-36-1)

資料代 500円

主催 戦時下の現在を考える講座  連絡先 090-8441-1457(加藤)

ツイッター @against_war

ブログ http://inwartimeinibaraki.hatenablog.com/

 

君が代」の君とは誰のことか気にしているあなたへ

日本の近現代史にまつわる問題について考える、初心者のための入門講座、はじめます。もちろん初心者でない方も歓迎です。

 一九九九年に国旗・国家法が成立した。罰則規定のない法律で、制定当時の政権はこの法律に基づいて罰せられることはないと答弁していた。しかしその後東京や大阪で、卒業式の国家斉唱に従わない教員に罰といっていい強力な指導がなされている。そもそも、国旗や国歌が法律で定められたのは、なぜ一九九九年になってだったのか?

テキストは『日の丸・君が代の戦後史』田中伸尚さんの書いた岩波新書です。読みやすい本です。読んでいなくてももちろん参加できます。

自衛隊の海外派兵が当たり前となった今は「戦時下」ではないでしょうか?

12/7(日) フォー・ビギナーズ学習会 『ヘイト・スピーチとは何か』を読む

戦時下の現在を考える講座 フォー・ビギナーズ

  『ヘイト・スピーチとは何か』を読む

 

12月7日(日) 14時~16時

つくば市立 春日交流センター 和室(つくば市春日2-36-1 駐車場ありGoogle マップ - 地図検索

テキスト 師岡康子『ヘイト・スピーチとは何か』岩波新書 2013年

資料代 500円

主催 戦時下の現在を考える講座  

連絡先 090-8441-1457(加藤)/ under_the_war_regime@yahoo.co.jp

ツイッター https://twitter.com/against_war

ブログ http://inwartimeinibaraki.hatenablog.com/

 

        ~ヘイト・スピーチって、やっぱりまずいよね?と思っているあなたへ~

 日本の近現代史にまつわる問題について考える、初心者のための入門講座、はじめます。もちろん初心者でない方も歓迎です。

  東京・新大久保のコリアンタウンで、「朝鮮人を殺せ」などと誰もが耳をふさぎたくなるような言葉を投げつける人々の動画を見た人もいるでしょう。京都朝鮮第一初級学校(小学校)は度重なるヘイト・スピーチに近隣との関係も悪化し、移転を余儀なくされました。国連人種差別撤廃委員会はヘイト・スピーチへの法規制を勧告しましたが、日本政府は何の対応もしていません。

  ヘイト・スピーチを行う人々は特別な人々なのでしょうか。少数者への差別的な言葉は、程度の差こそあれ私たちの日常にあふれています。政治家の「問題発 言」の多くはヘイト・スピーチでしょう。石原元都知事や橋下大阪市長、歴代の閣僚たち。今の安倍政権にはヘイト・スピーチを行う人々と親しい閣僚が何人も 入っています。首相自身がそうした発言を繰り返してもいます。関東大震災時の朝鮮人社会主義者の虐殺を思い起こせば、ヘイト・スピーチは日本の「歴史と伝統」なのかもしれません。

 私たちの社会にはなぜヘイト・スピーチがあふれているのか、ヘイト・スピーチとは何か、私たちはどうすればいいのか、考えてみます。

 テキストは『ヘイト・スピーチとは何か』師岡康子さんの書いた岩波新書です。読みやすい本です。本の内容については主催が報告をしますので、読んでいなくてももちろん参加できます。どうぞお気軽にお出かけください。

 

 自衛隊の海外派兵が当たり前となった今は「戦時下」ではないでしょうか?

「茨城県国民保護訓練」への抗議声明

私たち戦時下の現在を考える講座は、11月18日付で以下のような抗議声明を、対象となる行政機関(茨城県知事および同県生活環境部防災・危機管理課、土浦市長および同市総務部危機管理室、つくばみらい市長および同市総務部安心安全課)あてに送付しました。

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「平成26年度茨城県国民保護共同図上訓練」への抗議声明

 

 本日11月18日、国と茨城県との共同で、土浦市つくばみらい市および茨城県庁にて実施される国民保護共同図上訓練に抗議します。この訓練は自衛隊・警察・消防・自治体職員などの各種公務員にとどまらず、企業や一般市民をも戦時協力へと向かわせ包摂するためのものです。私たちはこのような訓練を行うべきではないと考えます。

 

 県内と国の91団体、約300名を動員するとされるこの訓練は、「JR土浦駅及び土浦市民会館が爆破されるとともに、つくばエクスプレスみらい平駅が爆破され、多数の死傷者が発生する。その後、犯行グループは爆発物等を所持して両市内の施設にそれぞれ立てこもる。」*1と想定されています。しかしたとえば、みらい平駅は乗降客も決して多くはなく、周辺にも商業施設のさほど多くはない地域です。率直に言って県内の主要施設とも見なせず、このように静かな場所をなぜ事件の想定地点にしたのか理解できません。このような想定は利用客や周辺住民をいたずらに不安にさせるだけであり、危機意識を扇動していると言えるでしょう。国・自治体がこのような扇動を行うのは許されることではありません。

 

 2004年の国民保護法施行以来、茨城県内では過去7回もの図上ないし実動の国民保護訓練が実施されてきました*2。今回にかぎらず、訓練でうたわれている「国民保護」とは、テロあるいは戦時における、自衛隊の後方支援的な「国民」の「活用・動員」であって、言葉通りの「保護」ではありません。訓練の根拠となっている国民保護法は、住民や産業をいかに活用して戦時に対応するかを規定している法律であり、人々は国によって戦時に活用されるべき資源にすぎず、国の政策に反発したりしないよう管理すべき対象とされています。このような考え方、政策に私たちは強く反対します。私たち住民は国家や自治体に活用されたり管理されたりするような資源ではありません。

 

 国・政府は有事の可能性をなくすことにこそ内政・外交ともに専心すべきはずです。東海第2原発がテロ攻撃をうけた(2006年の県内訓練)、「放射性物質の拡散を伴うテロ」(2009年の同訓練。テロの名の下に隠れて原発事故シミュレーションを行なったようにも見える)*3などと想定するかわりに、そのような危険きわまりない原発廃炉と、核燃料類のより安全な保管へと政策を転換すべきであるという考えは、とくに福島原発事故以降は広く認知されています。それだけでなく、今回想定されたシナリオ*4はむしろテロを呼び込むかのような振る舞いとなっていて、言葉を失います。特定の国を想定して敵視し、不信を抱かせるような内容ですらあって、そのようなことは厳に慎むべきはずのことがらであり、「国民」に対してのみならず他の諸国に対しても相互不信を煽り立てる、言葉の本来の意味での「国民保護」とは全く無縁のものです。図上であっても今回のような訓練は事実上の戦争訓練であり、対外的にも日本は国内各地で戦争訓練を始めたものと映るでしょう*5。これは危険な挑発であり、訓練ではない本物の戦争への道を開くことにもなりうる行為です。そのような訓練は断じて行うべきではありません。

 

 私たちは今日行われる国民保護共同図上訓練に反対します。このような訓練は実施されてはなりません。国は訓練を中止して下さい。茨城県土浦市つくばみらい市はこのような訓練に参加しないよう強く求めます。


2014年11月18日
戦時下の現在を考える講座

*1:茨城県生活環境部 防災・危機管理局 防災・危機管理課,「平成26年度茨城県国民保護共同図上訓練について」,p.1:http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/seikan/kikikanri/26kokuminnhogokunren.pdf. 参加組織名は同文書p.7に列記.つくば市にあまたある研究所のうち、宇宙航空研究開発機構JAXA)が唯一参加するのは面白い.なぜか?

*2:茨城県防災・危機管理課のHP上の「国民保護対策」をクリックすると、過去の訓練について確認できる:http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/seikan/kikikanri/

*3:「今回の訓練は、初めて放射性物質の拡散を伴うテロ』という想定の下…」などと曖昧な表現がされている:http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/seikan/kikikanri/hogo/kunren/h21kunrenkekka.htm

*4:「甲国(国際的なテロ組織『α』への支援の疑惑がある)に対し、乙国及びその友好国(日本も含まれる)は厳しい経済制裁を行なってきた。乙国の大規模集客施設で、同時多発テロが発生。テロ組織『α』は、犯行声明とともに、甲国に経済制裁を継続している国を批判。その後、国際的なテロ組織『α』によると思われるテロが次々と…」云々云々。注1にリンクした文書のp.6を参照のこと。

*5:今年度の全国での国民保護共同訓練実施予定については、同文書のp.8に一覧がある。ぜんぶで13県。